「心理学研究法特論」を受講する学生の皆さんが目ざしているのは,修士論文の完成だと思います。論文を完成させるには,先行研究をまとめ,そこから自らの独自性を見出し,新たな方法論を用いて実験や調査を行うことが求められます。そのためには,自らの研究計画の妥当性と信頼性を確認しなければなりません。論文の方法の部分において記述すべきことは,なぜその方法を用いたのか,その方法を用いるメリットは何か,その方法に基づいて研究を実施していくための事細かな手続きといったことです。この授業では,自らの研究の方法を発表することで,仲間から自分の研究の問題点を見つけてもらい,より信頼性の高い論文を仕上げていくことを目ざします。発表に際して参考になるのは,すでに出版された論文において,どのように予備実験(予備調査)を組み立て,どのように実験(調査)のための材料を作り上げていったのかです。これまでの研究をふり返って自分の研究にも使えそうなところは,どんどん使っていくべきです。自らの研究計画で不足していると思う点をさらけだし,参加者の助言を得るようにしてもらえれば,より授業が活性化していくと思います。
- 教師: 福田 恭介