日々複雑さを増しつつある現代世界について考える上で、イスラム社会への理解は必要不可欠である。現在イスラム教徒が多数を占める地域には、古来、イスラム教徒以外にも、ユダヤ教やキリスト教、ゾロアスター教や二元論宗教、古代ギリシア的思想など、多種多様な宗教・文化に属する人々が居住し、多文化社会を形成してきた。そのような多彩な中東イスラム社会の様相を理解することは、イスラムを含め、異なる文化・習慣をいかに理解し、それらとどのように向き合っていくのかを考えることにつながるのである。本講義では、前近代の歴史的事象も踏まえたうえで現代におけるイスラムという宗教・社会への理解を深め、イスラムをめぐる諸文化の多彩な魅力や、現代世界のグローバルな文化交流がもたらす問題、そして異なる文化と共存することの意味について考える。

本講義は主にパワーポイントを用い、それに対応したプリントを授業時に配布する。文化に関する回では視聴覚教材を利用する場合もある。毎回授業後に確認の小テストor/and小レポート(授業を聞いていれば問題ないレベル)とリフレクションを書いてもらう。