「地域」をめぐって考える切り口、アプローチの仕方は多様である。本講義では、主に環境や災害をテーマにしつつ、社会学の立場から、私たちの生活が営まれる場所である「地域」について考える。講義全体を貫くキーワードは「流域」である。「流域」に注目することにより、地域、環境、災害の結びつきを具体的かつ複眼的に思考することが可能になるはずである。身近なものでありながら、立ち止まって考えてみようとすると捉えどころのない「地域」というものについて、ふだんとは異なる見方をし、それをつうじて自らの足元をめぐる想像力を豊かにすることが本講義の目的である。