貧困・生活不安定層が特定地域に集積し、そうした地域で生活・成長することがさらなる排除状態をもたらすという二面において、社会的排除は地域社会で顕在化する。社会的排除にある人々を対象に研究する際には、人々のくらしがどのように営まれているのかを理解するとともに、人々がくらす地域の成り立ちと仕組みについて理解する、社会学的な研究方法も必要となる。
 本科目では、受講生が社会的排除層、とりわけ貧困・生活不安定層、被差別マイノリティの人々に関わる課題を調査研究することを念頭に、主に社会的排除、ホームレス問題に関する文献・論文を輪読する演習を行う。論文は主に社会学・社会福祉学・社会政策学領域の査読誌から選び、内容のみならず論文の構成等についても議論する。扱う論文と報告の順番は、受講生との相談により決める。